知人にパンのレシピを教わった。せっかくなので焼いてみることにした。
結果、揚げ餅みたいなものができた。
1回目:なぜか固い、そして平たい


天板の上で隣同士がくっついて、団子のように連なっている。上に膨らまず、横に広がってしまった。
食べてみると、しっかり詰まった食感。悪くはない。悪くはないのだが、これはパンなのだろうか。揚げ餅と言われた方がしっくりくる。
知人に相談したら一発だった
「夜に焼いて、そのままオーブンに入れっぱなしにしてない?」
していた。夜に焼いて、朝まで庫内に放置していた。
正解は、焼けたらすぐ袋に入れることだという。
言われてみれば、パン屋のパンは必ず袋に入っている。あれは持ち帰りのためだけではなく、水分を保つためでもあったのだ。当たり前の話だが、まったく気づいていなかった。
もちろんパン用の袋など持っていない。とりあえずジップロックに入れることにした。
2回目:普通のパンになった、が
袋に入れるようにしたら、普通のパンになった。しかしまだ固い。ふっくらとは言い難い。
手順を見直すと、もう一つ問題が見つかった。
二次発酵6時間は長すぎた
二次発酵の標準は30〜40分だという。私は6時間やっていた。
過発酵になると何が起きるか。イーストが糖を食べ尽くしてガスを出しきり、生地の骨格が伸びきって支える力を失う。だから上に膨らまず横に広がる。1回目のパンが平たく広がってくっついていたのは、これが原因だった。
さらに190℃で30分という焼き時間も長すぎた。この大きさなら15〜18分で十分。長く焼けば水分が飛んで固くなる。
固さの原因は3つ重なっていたわけだ。
3回目:冷蔵発酵に切り替えた
夜にこねて朝焼くスタイルは続けたい。ならば冷蔵発酵にすればいい。
一次発酵を冷蔵庫で一晩かけてゆっくり行う方法だ。低温だとイーストの活動が抑えられるので過発酵にならない。しかも時間をかける分、風味が出る。パン屋でも使われる技法らしい。
これで焼いてみた。


ふっくらした。めちゃくちゃ美味しい。知人にも喜んでもらえた。
こねるのが気持ちいい
やってみて初めてわかったことがある。
こねる作業が楽しい。
粉と水がバラバラの状態から、だんだんまとまって生地になっていく。手の中で質感が変わっていく過程が、なんだかストレス解消になる。無心になれる時間だ。
以前このブログで「定年を迎えたおじさんが急にそば打ちを始める」という話を書いたことがある。

あのときは「未経験のことに挑戦する意義」という文脈で書いたのだが、もしかすると理由はもっと単純なのかもしれない。
粉をこねるのが、単純に気持ちいいのだ。
そば打ちをする人の気持ちが、少しわかった気がする。
なぜ三日坊主でもできるのか
パン作りというと手間がかかるイメージがあるが、やってみると意外とそうでもない。
焼きたてが食べられる。これが最大のメリットだ。買ってきたパンでは味わえない。
意外とボリュームがある。強力粉200gで3食分くらいになる。朝食だけなら、ちょうど3日分だ。
三日坊主のための3日分である。出来すぎている。
添加物が入っていない。粉、イースト、砂糖、塩、油、水。それだけだ。何が入っているか全部わかる。
アレンジができるらしい。私はまだその段階ではないが、慣れれば具材を入れたり形を変えたりできるという。
そして何より、小麦からパンができるという体験そのものが面白い。粉と水を混ぜて放置しておくと膨らむ。焼くと食べ物になる。人類が何千年も前に発見した方法を、自宅のキッチンで再現しているわけだ。少し感動する。
たどり着いたレシピ
知人に教わった配合をもとに、手順を調整したものです。
材料(6個分)
- 強力粉 200g
- ドライイースト 3g
- 砂糖 15g
- 塩 4g
- オリーブオイル 20g
- ぬるま湯 130g
手順
- 材料を混ぜてこねる
- 一次発酵:ボウルに入れて冷蔵庫で一晩(8〜12時間)
- 朝、冷蔵庫から出して30分〜1時間ほど室温に戻す
- ガス抜きして6等分、丸める
- ベンチタイム15分
- 成形して天板に並べる(間隔は5cm以上)
- 二次発酵:30〜40分。生地が1.5倍になったら完了
- 190℃に予熱したオーブンで15〜18分
- 焼けたらすぐ袋に入れる
失敗から学んだ3つのポイント
- 焼いたらオーブンに放置せず、すぐ袋へ
- 二次発酵は30〜40分。長ければいいわけではない
- 焼き時間は15〜18分。長く焼くと固くなる
同じように「パンが固くなる」と悩んでいる人がいたら、このどれかに当てはまっていないか確認してみてほしい。
私は3つ全部やらかしていた。

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