セブンイレブンのカレーうどんを食べながら、別のことを考えていた。
コンビニに行くとワクワクするのはなぜだろう。
スーパーにも行く。しかしあれは食材を仕入れる場所というイメージだ。目的があって行き、目的のものを買って帰る。ワクワクはしない。
一方コンビニは割高だ。同じものを買うならスーパーの方が安い。それなのに、なぜか行くと楽しい。
私は昔からコンビニが好きだった。でもその正体がわからない。少し真面目に考えてみることにした。
理由その1:何が置いてあるかわからないから
心理学に「変動比率スケジュール」という概念がある。報酬がいつ得られるかわからない状況が、最も行動を持続させるという話だ。ギャンブルが人を惹きつける理由もこれで説明される。
以前スプラトゥーンの記事で「適度なギャンブル性があるからハマる」と書いたが、構造としては同じかもしれない。
コンビニはまさにこれだ。新商品がいつ入るかわからない。行くたびに棚が違う。
先日セブンイレブンで揚げパスタを見つけたとき、私はかなりテンションが上がった。あれは味の問題ではない。「まさかこれがコンビニに」という予想外の遭遇そのものが嬉しかったのだ。
期待していないときに現れるから、価値がある。
理由その2:スーパーで Ctrl+F を押したくなる
コンビニがワクワクする理由を考えていて、逆にスーパーが苦手な理由に思い当たった。
行き慣れないスーパーに入ると、正直イライラする。広すぎて目的の売り場が見つからない。店員を探しても人手不足でなかなか捕まらないし、聞いても要領を得ないことがある。
「検索できないのか」と思ってしまう。
スーパーの通路で立ち尽くしながら、Ctrl+F (MacならCommand + Fか)を押して検索ウィンドウを出したいと本気で思う。ネットショッピングなら一発で見つかるのに、なぜ物理空間はこんなに不便なのか。
これはたぶん、ネットに慣れすぎた人間の身体感覚だ。欲しいものに直線でたどり着けるのが当たり前になっていると、広い店内を歩き回って目視でスキャンする作業が急に理不尽に感じられる。
その点コンビニは狭い。数十歩で全体を把握できる。レジには必ず人がいるので、聞きたければすぐ聞ける。
物理的な店舗でありながら、検索するように扱えるサイズなのだ。
理由その3:失敗しない場所だから
もう一つ気づいたことがある。
スーパーは「目的があって行く場所」なので、目的が達成できないとストレスになる。買うものリストがあって、それを消化しに行く。見つからなければ失敗だ。
コンビニは違う。特に目的なく行ける。何も買わずに出てもいいし、予定になかったものを買ってもいい。どちらでも成立する。
そもそも失敗という概念がない場所なのだ。
理由その4:自分が主役でいられる
これは少し感覚的な話になる。
スーパーには「主婦が買い物をする場所」というステレオタイプなイメージが、自分の中にある。生活の場所であり、家族のための買い物をする場所。
対してコンビニは、自分のためだけに行く場所だ。誰にも説明せず、自分の判断だけで、自分のために買う。生活の役割から一時的に自由になれる空間とも言える。
家庭でも職場でもない第三の場所、いわゆるサードプレイスに近い機能を持っているのかもしれない。
まんまと乗せられている
もちろん、コンビニ側もこれを意図的に設計している。
週単位の新商品投入、季節ごとのフェス、限定商品。今回のカレーフェスもそうだ。全15品を並べて「夏こそスパイス!」と煽ってくる。全部食べたくなる構造になっている。
そして私は実際、カレーフェスの商品を何品も買っている。「感動はなかった」などと偉そうにレビューを書きながら、まんまと乗せられているわけだ。
割高だとわかっていて、感動しない商品もあると知っていて、それでもコンビニに行く。
揚げパスタを探しに行くのも、結局はそういうことなのだと思う。何かに出会えるかもしれないという期待が、あの店には常にある。
テーマパークと同じだ。入場料を払っている自覚がないだけで。

コメント